【理学療法士監修】姿勢が悪いと眠れない? 睡眠の質を高める整体的アプローチ

〜「寝ても疲れが取れない」その原因は“体のゆがみ”かもしれません〜

「寝つけない」「夜中に目が覚める」「朝起きると首や腰がこっている」──
そんなお悩みの背景に、実は姿勢と神経バランスの乱れが関係していることが知られています。

人は眠っている間も筋肉と神経が微細に働いており、
姿勢の歪みがあると「体を支える筋肉」が休むことができません。
その結果、睡眠の質が下がり、疲労が抜けにくい体へと変化していくのです。


目次

■ 姿勢と睡眠の深い関係

私たちが日中に崩した姿勢(猫背・ストレートネック・骨盤の傾き)は、
そのまま夜間の体の緊張パターンとして残ります。

たとえば、背中が丸まった状態で寝ると、
呼吸が浅くなり、酸素の取り込み量が低下。
これは自律神経(特に副交感神経)の働きを妨げる要因とされています(Kim 2021)。

さらに、慢性的な姿勢不良は
首や腰まわりの筋肉が常に緊張状態となり、
深い睡眠に必要なリラックス反応(Parasympathetic Activity)を妨げます(Lehrer 2020)。


■ 夜間の痛みと睡眠障害

慢性腰痛や首こりの方の多くが訴えるのが、
「夜になると痛みが増す」「寝返りで目が覚める」といった症状です。

この背景には、
炎症性サイトカイン(IL-6など)の夜間上昇や、
交感神経の過活動による血流低下が関係していることが報告されています(Neogi 2023)。

つまり、夜間の痛みやこりは「疲労の延長」ではなく、
体の回復機能が働けないサインなのです。


■ 整体的アプローチの目的

当院で行う整体では、
「姿勢」そのものを矯正するのではなく、
体が自然と整うための神経と呼吸のバランスを回復させることを重視しています。

骨格や筋肉だけでなく、
自律神経・血流・呼吸のリズムを整えることで、
結果的に深い眠りに導かれやすい体をつくっていきます。

特に、

  • 呼吸の浅さ
  • 寝ても疲れが残る
  • 朝に首・腰が張る
    といった方は、この神経バランスの乱れが根本にあります。

■ 治療ではなく「再調律」

体を強く押したり、鳴らしたりするのではなく、
微細な動きの中で筋・神経・呼吸の“協調”を取り戻していきます。

このアプローチにより、
夜間のこり・痛みの減少と同時に、
「眠りが深くなった」「朝のだるさが減った」
という変化を感じる方が多くいらっしゃいます。


■ まとめ

  • 姿勢の乱れは、睡眠の質に直接影響する
  • 深い眠りには「呼吸 × 神経 × 血流」の調和が欠かせない
  • 夜間痛や首こりは、体の休息機能が働けないサイン
  • 強い刺激ではなく、体が自ら整うアプローチが効果的

■ 参考文献

Kim JH et al. Frontiers in Psychology, 2021.
Lehrer PM et al. Applied Psychophysiology and Biofeedback, 2020.
Neogi T. Pain Research and Management, 2023.
Gross AR et al. Cochrane Database of Systematic Reviews, 2015.
Park S et al. Journal of Clinical Sleep Medicine, 2022.

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