【理学療法士監修】首の痛みと首こりの原因と改善法|ストレートネック対策のエビデンス

首の痛みや首こりでお困りではありませんか。寝違えのように動かない、スマホを見ていると首が重い、頭痛が出てくる。これらは単なるこりではなく、姿勢や神経のバランスの乱れが関係していることがあります。本記事では、理学療法士の視点で最新の研究に基づいた対処法を解説します。
目次
首痛の主な原因
- 姿勢不良による負担増加。頭部が前方へ移動すると頸部筋に過剰な負荷がかかる。
- 筋力低下と血流不良。僧帽筋や肩甲挙筋の緊張持続で循環が低下する。
- ストレートネック。頸椎の生理的カーブが減少し、神経や関節にストレスがかかる。
- ストレスや自律神経の乱れ。交感神経優位が筋緊張を助長する。
有効性が高い治療法のエビデンス
運動療法が一次選択
系統的レビューでは、頸部および肩甲帯の筋力強化と姿勢修正を含む運動療法が、疼痛と機能の改善に有効と結論づけられています。慢性例でも継続的な運動が推奨されます。
徒手療法は補助的に併用
関節モビライゼーションやソフトティッシュ介入は短期的な可動域や疼痛の改善に寄与しますが、運動療法と併用することで効果が持続しやすくなります。
呼吸法と神経モジュレーション
中枢感作が関与する慢性痛では、規則的な深呼吸やマインドフルネス呼吸などの介入が有用です。自律神経の安定化は筋緊張の低下にもつながります。
自宅でできるセルフケア
- スマホやモニターを目の高さに合わせる。顎を軽く引き背中を伸ばす。
- 60分に一度、肩回しと頸部の軽い可動域運動を行う。
- 温熱タオルで首肩を温め、血流を促進する。
- 就寝前に腹式呼吸を行い、息を長く吐くことを意識する。
受診や専門家相談の目安
- 首の痛みが2週間以上続く、または増悪している。
- 頭痛や腕のしびれ、脱力を伴う。
- 朝起きた時から強い痛みが続き、日常生活に支障がある。
- 画像検査で異常なしと言われたが改善しない。
まとめ
- 首痛は筋肉、姿勢、神経の相互作用で生じる。
- 最も支持される介入は運動療法と姿勢改善である。
- 徒手療法や呼吸法は補助として併用し、継続で再発予防につながる。
参考文献
- Gross AR et al. Exercise therapy for neck pain. Cochrane Database Syst Rev. 2015; CD004250. https://doi.org/10.1002/14651858.CD004250.pub5
- Blanpied PR et al. Neck Pain Clinical Practice Guidelines. J Orthop Sports Phys Ther. 2017;47(7):A1-A83. https://www.jospt.org/doi/10.2519/jospt.2017.0302
- Nijs J et al. Treatment of central sensitization in patients with chronic pain. Pain Physician. 2020;23(6):E389-E406. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33282917/
- OLeary S et al. Specific therapeutic exercise improves cervical function. Spine. 2018;43(6):E350-E358. https://doi.org/10.1097/BRS.0000000000002331
監修 理学療法士 〇〇 〇〇(八尾市)
更新日 2025年10月



